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ふたつの苺。あなたにひとつ。私にひとつ。
by deuxfraise
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「Zirconia」

ぶっちゃけ。

ろくでもない恋愛ばかり経験してきたせいで(←おいw)この曲は聴いていて本当にキツい。
記憶としてはもうどうでもよくなっているのに、聴くたびにトラウマの箱を乱暴に開けられるような気がする。

所詮ホンモノではなかった自分。
結局フェイクにしかなれなかった自分。

多分、そのどっちか。




逢えてよかったんだと思えたり、逢わなければよかったのにと思ったり。
楽しかった出来事はホンモノだったと幸せに思う反面、自分を納得させるために美化しているだけだろうと醒めた感情で思ったり。
好きと嫌いは表裏一体、という言葉そのもの。
言っていること、ぜんぶ本気で、ぜんぶ嘘。
いつまでたっても、自分はニセモノでしかない。どこかにそう刻み続けたまま生きてる。
そんな虚ろさを、否応無しに思い出させる曲。

お揃いでしたネックレス
そんなにいいものじゃなくて
それでよかった 輝いてた
その十字架のペンダント・ヘッドは
ジルコニア


そんなにいいものじゃなかったけれど、あの頃は「それでよかった」の?

それとも。
今となっては、そんなにいいものじゃなくて、かえって「それでよかった」の?

歌声の持ち主に、そう問いただしたくなる。
この歌詞を紡いだ人にではなく、この歌詞を歌う人に。
だって、君のせいじゃないか。
だって、気付いてしまったんだもの。
この声だから、この歌い方だから、こんなにも心を乱されるんだということに。

正直初めは、このところせっかくムリのない上質な(というのは失礼かもしれないけれど)歌い方を手に入れ始めたのに、なんでまたコレに戻るかな…と思った。
イライラした。
そしてふと「じゃあ誰が歌ったら」「誰みたいに歌ってくれたら」「過去のどの曲みたいに歌ってくれたら」いいのかな…と考えた。
リピートしながら、30分以上ぼんやり考えていたと思う。


そしたら、誰も浮かばなかったのだ。


それどころか、だんだんに、これはこの声でしか聴きたくないかも、とすら思い始めた。
このチカラ入りまくりの、一般ウケも狙いにくく未熟とも思われかねない、感情的過ぎる声でしか、この曲は聴きたくない。他の人じゃ、こんなにふりほどきたくなるような苦しさにはならない。
…じゃあ私は苦しさを欲しているの?
ぐちゃぐちゃ自問自答しながら20回近くリピートするうち、それはじわじわと確信的なものに変わっていった。

わかったのだ。
この曲で一番キツい、一番せつないところ。

探してたのは It's you

It's you... その響きに込められた、やりきれないほどの愛しさ。
その一瞬に全てが語られているとしたら。

そうだ、苦しければ苦しいほど、私にとって、これは慶太の声でしか歌ってはいけない曲だ、と。


今回のカップリングは、どれも毛色が違って、特に「More than words」なんて、3人が走ってきた道に新しいバイパスが通ったかと思うくらい、知らない景色の可能性を見せてくれていて素晴らしい。大好きだ。

なのに、どうしてもこの曲に引っ張られる。
この開けてしまった箱をどうしてくれるんだと心の中で責めながら、リピートを繰り返す自分の自虐っぷりに苦笑いしている。
声にシンクロすることで、慶太と痛みを半分こしているような甘さに酔う。


ニセモノも、歌のヒロインなら絵になるじゃん。みたいな。


それにしても。
このギャップの激しい歌い方が、やめられないのではなく、あえてやめないでいるんだとしたら、まんまと慶太の術中にハマったようでなんだかくやしいな。

そしてまた、そのくやしさすらも甘いのだから。

まいったなぁ。笑
by deuxfraise | 2012-03-19 12:07 | w-inds.&橘慶太
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